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触れたら、心があたたかくなる。"warm me"な作品をご紹介♪ "alohawarmee"特選映画、今回ご紹介するのはこの映画!

『イーグル・ジャンプ』(16年/英・米・独合作 )
監督:デクスター・フレッチャー 出演:タロン・エガートン ヒュー・ジャックマン クリストファー・ウォーケン  

 DVDスルーという言葉があります。簡単に言えば、様々な事情により日本国内では劇場公開されず、DVD/ブルーレイのみリリースされる作品のこと。ときにネガティブな響きを携えてしまいがちな「DVDスルー作品」ですが、中には特筆すべき名作が隠れていることがあります。決して「DVDスルー = つまらない作品」というわけではないのです。ここ数年のその代表とも呼ぶべき作品はチャニング・テイタム、ジョナ・ヒルが主演した『21ジャンプストリート』、トム・ハーディ、ジョエル・エドガートン、ニック・ノルティ共演の『ウォーリアー』あたりになるでしょうか。両作とも豪華キャストが出演し、ある一定の評価も勝ち得(ニック・ノルティに至ってはアカデミー助演男優賞のノミネートまで!)、内容も素晴らしい。しかし日本国内においては劇場未公開。ステータスだけ見れば、ある種のアンバランスさを感じずにはいられません。

 今日ご紹介する『イーグル・ジャンプ』もまた、『キングスマン』主演のタロン・エガートンとヒュー・ジャックマン、そしてクリストファー・ウォーケンという豪華俳優陣を揃え、しかし劇場では日本未公開といういびつさを兼ね備えているが故、確実にその系譜に連なる作品でしょう。何よりその「アンバランス感」に拍車をかけているのが、物語の素晴らしさ!本作の物語のベースとなるのは、80年代後半〜90年代にかけて活躍した、イギリス史上初のスキージャンプオリンピック選手であるマイケル・“エディ・ザ・イーグル”・エドワーズという実在の人物の半生。彼はスキージャンプの経験が全くのゼロのところからわずか数年でオリンピック選手にまで登り詰めるのです。彼がオリンピックにかける情熱、何かに本気で取り組み、夢を実現させていく様には思わず胸が熱くならざるを得ませんでした。

 そんなエディのひたむきさを際立たせるのが、劇中ではエディのコーチ役を務めるヒュー・ジャックマン演じるブロンソン。かつては天才ジャンパーとして大きな期待を集めながらも、酒と女と自身の才能に溺れ、人知れず一線を退いたブロンソンは、自らが傷つけてしまった自身の過去と折り合いをつけ、エディとともに再びオリンピックという夢の舞台に臨もうとします。エディがひたすら未来へと向かう「光」の部分だとするならば、ブロンソンが担う「影」の部分もまたしかと描かれているからこそ、本作には単なるひとりの青年のサクセス・ストーリーを超える重層的な魅力が込められているのです。

 劇中に印象的なセリフがありました。それはブロンソンの語る「スキージャンプにおける矛盾」。ジャンプとは、一度飛んだら後は「落ちていく」だけ。けれども落ちそうなときこそ、「前傾姿勢」を維持しなければ浮力は得られない。まるで我々の人生における至言かのように響く言葉ですよね。「落ちそうでダウナーな」気分のときこそ、本作を是非ご覧になってみてはいかがでしょうか?観たらきっと少しは気持ちが「上がる」、かもしれません。何とも拾い物の傑作でした☆

次回もお楽しみに♪
“Bear”foot
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