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触れたら、心があたたかくなる。"warm me"な作品をご紹介♪ "alohawarmee"特選映画、今回ご紹介するのはこの映画!

『3月のライオン 前篇』(17年/日 )
監督:大友啓史 出演:神木隆之介 有村架純 倉科カナ 染谷将太 清原果耶 佐々木蔵之介 加瀬亮 配給:東宝=アスミック・エース

 気付けば暦はもう三月。陽だまりの中にいると、穏やかな温もりの中にじんわりと春の兆しを感じることが多くなりました。今回ご紹介する作品は今月お届けするにはまさに、なタイトルを持つ『3月のライオン』。本作は「ハチミツとクローバー」などの原作者、羽海野チカによる同名漫画の実写映画化作品。3/18(土)からの公開に向けて、主演の神木隆之介くん他、怒濤のメディア露出が行われているようですので、原作を知らない方でもタイトルを耳にしたことのある方は多いのでは?

 本作では神木隆之介くん演じる、天才の呼び声高い若き将棋の棋士・桐山零が新人王トーナメントに臨む様、そして絶対王者である宗谷冬司(加瀬亮)への挑戦者を決する獅子王戦に挑む棋士たちの壮絶な闘いが紡がれていきます。とはいえ、この作品は“闘い”だけを描いた物語ではありません。もう少し砕いた言い方をすれば、主人公の桐山零しかり、本作は「闘うことで本当の“居場所”を得ようとする人々の物語」であるということ。その闘いの雌雄を決するものは、才能であり、才能を持たぬ存在にしたら、血のにじむような努力の有無。もちろん「勝負」には時の運や天命のようなものも関わってくることだし、努力を続けたから、才能があるから、だからすべてを勝ち取れる、というわけにはいきません。

 劇中に個人的に印象深かったシーンがあります。それはとある勝負に桐山が勝ち、その行方をテレビで見守っていた先輩棋士のひとりが浮かべた表情。身近な後輩の勝利に喜びつつも、まるで自分が決して辿り着きようのない場所に先に手をかけられてしまった、そんな複雑な表情を浮かべるのです。ほんの数秒のささやかな描写だけれども、この表情を目にしたときに「ああ、彼が今味わっているであろう“苦さ”のことはよく知っているぞ」と、作品が自分の生活や人生に跳ね返ってくるような感覚を覚えました。

 生きることが闘うことと同義であるならば、本作はより多くの人の胸を打つはずです。何故なら、今何かを目指している人、何かに敗れ去ってしまった人、居場所を探しあぐねて手をこまねいている人。様々な選択や勝負、懊悩の中にいるすべての人々の姿が、形を変えて作品の中に息づいているから。いささか大げさな表現になってしまいますが、そんな間口の広さ、視座の深さが宿る本作。この春休み必見の一本です。

 と、少し硬派な作品紹介の仕方になってしまいましたが、主人公がまるで疑似家族のような交流を持つ川本家の食卓に登場する料理がどれも本当に美味しそうなんです!劇中では度々「ふくふく」という言葉が使われていますが、まさにそんな語感を現すような、春の陽射しのようにやわらかく、温かな彩りの料理の数々。目にも美味しい作品として、観たら必ず心は満たされるはず♪ 4/22より公開される後編と併せて是非ご覧になってみてくださいね。

次回をお楽しみに☆
“Bear”foot
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